出産直後、お母さんの体は交通事故に遭ったのと似たような衝撃の状態だと言われています。でも日本では退院後すぐに家に帰って育児を始めますよね。韓国では少し違います。出産したお母さんの85.5%が「産後ケアセンター(サンフジョリウォン)」という施設で2週間、ホテルのようにゆっくり休んで回復するんです。
「こんな施設がなぜ日本にはないんでしょう?」— 韓国で出産を経験した日本人女性医師の言葉が話題になったこともあります。
約35万円
産後ケアセンター、一体どんな場所?
産後ケアセンター(サンフジョリウォン)は出産直後のお母さんと新生児を専門的にケアする韓国固有の施設です。病院で出産後3〜4日で退院するとすぐに産後ケアセンターへ移動して、通常2週間滞在します。
1990年代後半に核家族化が進む中で登場した施設で、かつては義母や実母がやっていた産後ケアを専門施設が代わりにするようになりました。今や韓国で赤ちゃんを産むと産後ケアセンターに行くのが当たり前の文化になっています。
産後ケアセンターは世界で韓国にだけ存在する施設です。台湾に似た「月子中心」がありますが、韓国のように全国民的に普及している国はありません。日本でも最近「産後ケアホテル」が登場し始めましたが、首都圏に数ヶ所のみでまだ一般化していません。
1日のスケジュールはどうなっているの?
専門栄養士が設計した産後回復食が客室に届けられます。わかめスープ、雑穀ご飯、漢方食材を活用したおかずなどお母さんに最適化されたメニューです。1日3食+2回のおやつが基本です。
1日2回の決まった時間に赤ちゃんと一緒に過ごします。授乳方法と赤ちゃんのケアを専門看護師から直接教えてもらえます。残りの時間は新生児室で24時間専門ケアが受けられます。
専門エステティシャンが産後のむくみケア、骨盤矯正、ボディマッサージをしてくれます。フェイシャルケア、頭皮マッサージ(産後の脱毛予防)、デトックスケアまで含まれているところも多いです。
産後ヨガ、ピラティス、ベビーマッサージ教室、赤ちゃん用品作りなどのプログラムに自由に参加できます。参加せずに客室で休んでも全く構いません。
2回目の赤ちゃんとの同室時間です。その後は完全に自由時間。寝たければ寝て、Netflixを見てもいいし、散歩しても大丈夫。授乳以外は本当に休むのが目的なんです。
費用・料金はどのくらい?
| グレード | 2週間費用・料金 | 円換算 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 地方一般室 | 154万〜250万ウォン | 約15万〜25万円 | 基本ケア充実、コスパ良し |
| ソウル一般室 | 平均454万ウォン | 約45万円 | ソウル平均、施設競争が激しい |
| ソウル特室 | 平均504万ウォン | 約50万円 | 広い客室、追加サービス |
| プレミアム(江南) | 最大4,020万ウォン | 約400万円 | 5つ星ホテル水準、VIP専任 |
2週間基準の全国一般室平均は346万7千ウォン(約35万円)です。前年比8.4%上昇し、特室は11.8%上昇しました。ソウル江南(カンナム)の最高価格施設は2週間で4,020万ウォンにもなりますが、これは本当にごく一部の超プレミアムです。
日本と比べると?
日本の産後ケアホテルは1泊約2.9万円から始まり、15泊基準で約43万円以上です。韓国の地方産後ケアセンターは2週間で15万〜25万円水準なので、サービス内容対比の価格競争力はかなりのものです。エステ・骨盤ケア・栄養食までオールインワンという点を考えるとなおさらです。
日本 vs 韓国、産後ケア比較
| 項目 | 日本 | 韓国の産後ケアセンター |
|---|---|---|
| 出産後の入院 | 自然分娩5〜7日 | 3〜4日(その後センターへ) |
| 退院後のケア | 自宅(家族の助けまたはワンオペ) | 産後ケアセンター2週間滞在 |
| 専門ケアの利用率 | 産後ケアホテル利用はごく少数 | 85.5%が利用 |
| エステ/骨盤ケア | 別途予約・追加費用 | 基本込み(オールインワン) |
| 新生児24時間ケア | お母さん本人が担当 | 専門看護師常駐 |
| 食事 | 自分で準備またはデリバリー | 栄養士設計の1日5食 |
| 授乳指導 | 病院入院中に簡単に | 2週間の専門家1:1指導 |
日本では出産後すぐにお母さんが育児の前線に立つことが多いですよね。韓国の産後ケアセンターの核心は「出産直後の2週間はただ回復だけに集中しなさい」ということです。授乳時間以外は赤ちゃんの心配なくゆっくり休めるというのが最大の違いです。
外国人も利用できますか?
はい、できます。ソウルのプレミアム産後ケアセンターを中心に英語・日本語・中国語などの多言語対応が可能な施設が増えています。空港ピックアップ、国際予約システムを備えているところもあります。
外国人利用時のチェックポイント
産後ケアセンターは韓国国内の病院で出産した場合を基本としています。海外で出産後に入所するには事前協議が必要です。また健康保険の適用がないため全額自費負担です。韓国での出産自体も外国人対応が可能な病院を事前に確保しておくことが重要です。
最近ではアメリカでも韓国式産後ケアにインスパイアされた「Sanhu House」のような施設がLAに登場し、日本でもSORANO HOTELが韓国式産後ケアコンセプトの宿泊プランを発売するなど、世界中に広まっています。
よくある質問
どちらとも言えます。法的には医療機関ではありませんが、看護師常駐が義務付けられていて新生児の健康管理を専門的に行います。施設はホテル級の客室にエステ、ヨガ室、ラウンジなどを備えています。「メディカルホテル」に最も近い概念です。
施設によって異なります。感染予防のために面会時間と人数を制限しているところがほとんどです。最近では「ファミリールーム」を運営するプレミアムセンターも出てきていますが、基本的にはお母さん中心の施設です。事前に該当施設に確認してください。
ソウルの江南(カンナム)・龍山など外国人居住者が集まるエリアのプレミアムセンターで英語・日本語対応が可能なところがあります。ABKを通じて日本語サポート可能な産後ケアセンターの情報をご案内できます。
可能です。1週間(7日)パッケージを運営しているところもあります。ただし韓国保健福祉部の調査によると産後ケアの平均期間は30.7日で、ほとんどの方が最低2週間は滞在します。産後回復効果をしっかり得るには2週間以上をおすすめします。
韓国では妊娠初期(12〜16週)に予約するのが一般的です。人気の施設は早く埋まるからです。外国人の場合、韓国での出産計画が確定したら最低出産予定日の3〜4ヶ月前には予約しておくのが安全です。